聖書 民数記13章1~2節、17~33節、ヨハネによる福音書20章19~23節
私たちの心の中には恐れから来る心のバリア(障壁)があります。このバリアは実際には存在しなくても、あるいはそれほど大きなものでなくても、私たちの行動を制約して動き出せなくします。出エジプトの民は父祖の地カナンのすぐ近くまで来て偵察したところ、そこに移り住んだ人々が強そうだったことからその人たちを恐れてカナンに入っていくのを断念しました。イエス様の弟子たちはイエス様が十字架にかかって死なれると、身の危険を感じて家に鍵をかけて閉じこもりました。出エジプトの民は主なる神からカナンの土地を与えるという約束をもらっていたし、弟子たちはイエス様から死と復活のことを聞いていました。しかし恐れの方が強くなり、主の約束を信じられなくなってしまったのです。
出エジプトの民はカナンに入らなかったために40年の荒れ野の旅を余儀なくされました。しかし弟子たちには復活の主が現れて、「平和があるように」という言葉で彼らの恐れを取り除いてくださいました。恐れがなくなった弟子たちは福音を宣べ伝える者として新しく生きる者とされたのです。彼ら彼女らの働きによって神の国の福音は世界中に伝わりました。
復活の主は私たちのところにも来てくださいます。今日もここに来られて、「あなた方に平和があるように」という言葉で私たちの心に平安を与えてくださいました。キリストによって平和を与えられた人々は心の中のバリアを消し去って、どんな人ともキリストのことを自分の体験として語ることができるようにされるのです。そこには復活の主、キリストが共におられます。