9月14日牧師室より

テレビドラマ『あんぱん』でアンパンマンが誕生するまでに10年以上もかかったことが描かれていました。人気が出ないアンパンマンにこだわるドラマの柳井嵩は「アンパンマンはかっこよくなっても、強くなってもいけないんです」と打ち明けます。彼には、正義を行うなら自分も傷つくことを覚悟しなければいけない、という信念がありました。

妻ののぶも「強さを見せつけて敵を倒すのではなく、自分を顧みず弱い人や困っている人を救うのが真のヒーローではないかと思うのです。アンパンマンは嵩さんにとって唯一信じられる正義の見方なんです。」と語ります。

アンパンマンは二人の辛い戦争体験に根差して生み出されたのですが、私は、なぜイエス様が敵対者と戦わなかったのか、なぜ十字架で死んだのかということを説明するのにとても良いキャラクターだと思いました。

パウロは「十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わたしたち救われる者には神の力です」(Ⅰコリ1:18)と告げました。アンパンマンが何年も受け入れられなかったのは人々が正義を強さやかっこよさに求めていたからでした。イエス様が十字架につけられたのは人々が強い王様を求めていたのに抵抗せずに罪人になったからでした。しかしこのことは「御子によって世が救われるため」(ヨハ3:17)でした。イエス様の十字架の死によって私たちは罪から救われ、生きられるようになりました。イエス様は自分が傷つくことによって真の正義を行われたお方です。