牧師の職務は主イエス・キリストの職務に倣います。その職務とは王、祭司、預言者という3つの職務です。
「王」とは旧約聖書に出てくる油注がれた者(ヘブル語メシア、ギリシア語キリスト)のことで、民が危険に遭遇したときに先頭に立って危険に立ち向かう者です。危険な任務に就くので神の守りをいただけるように特別の油が頭にかけられました。今日ではそれは按手礼(あんしゅれい)という、按手を受けた牧師が按手を受ける者の頭に手を置いて祈る儀式です。
「祭司」とは民のために主なる神に執り成す務めです。祭司は民全体の罪を告白し主の赦しを祈ります。民が主に守られ導かれるように祈ります。今日では私たち自身を聖なる献げ物として神の御前にささげ、牧師が祭司として祈ります。各人が神に祈ることができますが、それに加えて牧師には会衆全体や世界のために祈り、罪の赦しを求める務めがあります。
「預言者」とは神の言葉を告げる者です。旧約聖書にはエリヤ、エリシャ、イザヤ、エレミヤ、エゼキエルなどの預言者が王や民に神の言葉を告げました。イエス様がこの世界に来られてからはイエス様が語った言葉や行ったことが新約聖書に記されています。今日では預言者的働きは礼拝での説教によってなされます。牧師の語る言葉は人間の言葉ですが、主がお働きになり神の言葉となるのです。人が語ることのできない神の言葉を神が語らせてくださいます。
これらが可能になるのは私たちの主イエス様が天の聖所で祈っていてくださるからです。