ルカによる福音書5章1節から11節には漁師のシモンたちが夜通し漁をして魚が獲れなかった出来事が記されています。漁師たちの疲労と落胆の気持ちが伝わってきます。私たちの日常でも徒労に思えることがいろいろとあると思います。
そんな漁師たちのそばにイエス様が近づいて来て一緒に舟に乗り「沖の深いところで網を降ろして漁をするように」と言われました。深いところに魚はいないそうで漁師たちは長年の経験でそのことを知っていたはずです。しかしシモンは「お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えました。漁師たちは疲れて落胆しているのに、イエス様の言葉に促されて網を降ろしました。すると舟が沈みそうになるくらい大量の魚が網にかかったのです。
シモンは大喜びしたと私は思うのですが実際はそうではありませんでした。彼は驚きました(9節)。「驚き」という言葉は聖書が書かれたギリシア語では「恐れ」という意味があります。シモンは奇跡の業を見たことに神の臨在を覚え、その神の前で聖くない者である自分がいることに恐れを覚えたのです。
私たちの教会に奇跡が起きました。二人の方が洗礼を志願なさったのです。私はそのことを聞いた時に驚きました。そして神さまに感謝しました。皆さんもこのことを聞いた時に驚き神さまに感謝し、喜んだことだと思います。この驚きは神の御業を覚えてのものですから「恐れ」の感情が入っています。シモンや漁師たちに起きた奇跡は現在も起きています。偶然と思うことなく神さまを恐れ、賛美をささげたいと思います。