4月27日牧師室より

NHKの『映像の世紀』で「“神の国”アメリカ もうひとつの顔」という題名の番組が放送されました。米国福音派が米国政治を動かす存在として、また一面で危険な存在として、一般の方々に認識されてきました。この影響を受けて、キリスト教会全体が危険な存在のように見られてしまう可能性が出てきたように思います。

米国福音派は東西冷戦時代に自分たちの外に敵を作り、その敵との戦いに信仰で勝とうと呼びかけました。その後は敵を人種差別撤廃運動や女性解放運動、最近では移民政策に変え、政治的主張をしています。番組の中で米国福音派のある女性は「聖書には“統合”という文字は見当たらない」と発言し、またある伝道師は不法移民問題に関して「神はいつも壁を作って来た」と発言していました。この言葉にはファリサイ派の人々のような分離や排除の論理が表れています。自分たちの罪を見つめることをしていないように思えます。

神は(政治ではなく)宣教という手段によって人々を救おうとお考えになりました(Ⅰコリ1:21)。イエス様は人々を分け隔てなさいませんでした(マタイ22:16、マルコ12:14)。病気や貧しさのために汚れていると見なされていた人々と共に食事をなさいました。心身の病を癒されました。これは父なる神の御心です。聖書に記されている「平和」とは人間同士や自然との調和であり、そのために和解を必要とします。キリスト者はこの働きのために召され遣わされています。(ヨハネ20:21、Ⅱコリ5:18)