8月3日牧師室より

日本は80年前の8月に広島と長崎に原爆を受けて多くの人々が亡くなり、生き残った人々はその後も後遺症に苦しみ、二世や三世まで不安や苦しみにさいなまれました。空襲による被害も甚大でした。現在、世界中に約9千6百発の核兵器があり、これがもし使われたら世界中に大きな影響を与えます。しかし疑心暗鬼は悪魔のように人の心を支配し、際限のない兵器開発が行われています。人間は財産や権利を奪われるという恐怖から逃れる道を見出さなければ平和は訪れません。

命や財産は果たして自分のものでしょうか。この問いを真剣に考えてみると命も財産も自分のものではないことに気づきます。人は生死を自分の意志で選ぶことができません。財産も努力だけで獲得できるものではなく「運」が関係します。すべては神の御旨なのです。このことを理解するならば平和に暮らすことができます。キリスト者と名乗っていても、神の愛を語らず行わない者はまことのキリスト者ではありません。そのような者が世界に君臨していることを私たちは悲しみ、彼らに抗います。

キリストは人間イエスとしてこの世に遣わされ、数々の教えと奇跡によって神が見返りなしに人を愛するお方であることを明らかにしてくださいました。十字架で死なれて三日目に復活し、死は通過点に過ぎないことを示してくださいました。このイエス様が私たち人間に、まことの平和の道を教えてくださいました。それは「互いに見返りなしに愛し合う」(ヨハネ15:12)ことです。まことの平和は力によってではなく見返りなしに愛し合うことにより実現します。