マタイによる福音書2章のイエス様家族のエジプト避難はクリスマスの出来事です。この出来事は私たちを救い主誕生の喜びから、苦難と不条理の現実に引き戻します。羊飼いたちや東方の三博士が帰った直後に主の天使が夢でヨセフに現れ、エジプトに逃げてそこに留まるようにという命令を伝えます。ベツレヘムとその周辺にいた2歳以下の子どもは全員殺されてしまいました。これは不条理です。私たちが忘れてはならないことは、イエス様が逃げなかったとしてもこの殺りくは恐怖に支配されたヘロデの悪意によって実行されたということです。そしてイエス様には成し遂げるべき使命がありました。
この悲惨は現代でも起きています。戦争は続き、分断は広がって排斥が起きています。クリスマスを喜ぶ中でこのような現実と向き合うことが求められているのです。
このクリスマスの出来事は神の勝利の約束が現実であるにもかかわらず、悪が神に戦いを続けていることを私たちに知らせます。恐怖から悪が生まれます。そして、一つの危険や恐怖の源が消えても、別のものがその代わりに現れるでしょう。
私たちは救い主を必要としています。私たちの願いが叶わなくても神の力は存在しています。なぜならそれはイエス様の十字架に向かう地上での歩みにおいてイエス様と共にあったからです。このエジプト避難においても多くの人が聖家族を助けたということに思いをはせることができます。私たちは神のすべての約束が成就することを信じ、イエス様が再臨することを願い続けたいと思います。