2月5日牧師室より

使徒たちが天に召された後、福音を宣べ伝えた人々は「教父」と呼ばれています。この人たちについて4世紀後半から5世紀前半に活躍したアウグスティヌスは次のように述べています。

「教父らは教会の内に見出したことを保持した。彼らは学んだことを教えた。彼らは父たちから受けたことを子らに伝えたのである。」

「彼らは司教であり、博識で、重きをなしている聖なる人々で、饒舌な虚言に対して真理の精力的な擁護者である。これらの人々の理性、学識、自由のうちには、軽んじ退けるべき点を見出し得ないであろう。…使徒たちの後、植える人々、水をやる人々、建てる人々、牧する人々、養育する人々であるこのような人々によって、聖なる教会は成長したのである。」

教父にはユスティノス、エイレナイオス、クレメンス、オリゲネス、エウセビオス、アタナシオスなど多くの人がいます。この教父たちが書き記した文書が今日でも残っていて聖書を理解するうえで重要な手掛かりを与えてくれています。比較的よく知られているのものに『十二使徒の教え』というものがあります。この書物は「教え」を意味するギリシア語から『ディダケ―』とも呼ばれています。

「不易流行」という言葉があります。私はこの言葉を、その時代の課題によって御言葉が解釈されて、よりキリストの本質に近づくことと考えています。そのためには過去の良い教えを知ることが大切だと思います。教父たちの文書は決して古びてはおらず今なお光を放ち続けています。